MathType 基礎知識: Office

これからMathType を導入するか検討されている方に, ご購入方法と既存のユーザーの方々と共有する技術情報の一部をご覧に入れるためのコンテンツです。コンピューターの初心者の方,あるいは数式に詳しくない方にもご理解いただけるようコンピューターおよび数式の基礎知識も盛り込んだ内容になっています。



このページは以下の情報で構成されています:



Microsoft Officeのバージョン

Microsoft Office は1990 年にMicrosoft 社のワープロソフトのWord,表計算ソフトのExcel の2 個の主幹製品に,プレゼンテーションソフトのPowerPoint を加えてバンドル販売を行ったパッケージがシリーズ化したものです。一世を風靡したWindows 95 用のOffice 95 以降,西暦数字を伴う商品名が現在まで受け継がれていますが,基本的に永続ライセンスを指します。一方,1年の日数に相当する365 のタイトルを冠したサブスクリプション・ライセンスも販売されています。一般的にOffice のバージョンという時に, この商品名の語尾の数字を指しますが, あくまでも商品名の一部に過ぎず, 実際の製品バージョンを表す番号(ビルド番号)が別に存在します。しかし商品名と当該番号に共通性がなかったため, ユーザー間でも認知度は低いものと思われます。Microsoft 製品には エディションという表現も用いられますが,これはStandard やProfessional といったパッケージのバリエーションを指します。

Office の商品名

ビルド番号

Office 2002(Office XP)

10.xx

Office 2003

11.xx

Office 2007

12.xx

Office 2010

14.xx

Office 2013

15.xx

Microsoft 365・Office 2016・Office 2019*/ 2021*

16.xx

* Microsoft 365 の派生商品(ワンタイムアップグレード版。販路限定品。)


Office 2010(14.xx)の一部の商品より,ダウンロードによるインストーラプログラムの配布が実施され,これを「クイック実行形式(Click-to-Run:C2R)」と呼んでおり,Office 365 はすべてこの形式となります。 従来型のDVD によるインストール方法は「MSI(Windowsインストーラー)形式」と呼ばれ,現在は学校などへのボリュームライセンス以外では提供されていません。このためバグ修正などの更新も前者が優先される傾向があります。 なお,購入したPC に予めインストールされている「プレインストール(プリインストール)」版や「ストアプリ」版といった機能制限を伴う製品においては,サードパーティ製のアドインをサポートしておらず,MathType が使用できないことにご注意ください。

MathType はMicrosoft Office の構成アプリケーションのうち, Word とPowerPoint アプリケーションのユーザー・インターフェース上で一体化した形で使用することができます。ここではWord とPowerPoint に関して, MathType を使用するのに必要な情報に関して述べます。

Microsoft Word

これまでリリースされたMicrosoft Office の全バージョンの全てのエディションの中で必ず含まれているのがExcel とWord です。Word は世界のWindows ユーザーの間で最も普及しているワープロソフトです。ワープロソフトは本来は文字の打ち込み作業をメインとしたソフトウェアで, 単純に文字入力を目的としたテキストエディタとは異なり, タブやインデントといった行に変化を加える機能や表組み機能, また様々なリンク機能があるのが特色です。Word の場合は文字入力のみならず, 画像や図表の配置も可能なことから 技術論文など複雑なレイアウトを要さない文献の作成であれば, このソフト一本で事足りるほどの機能も備えています。一方で度を越した画像の貼り付けなど過激な使い方のためにファイルサイズが巨大化する傾向もあります。しかしテキストボックスの機能で似たことはできるとはいえ,文字入力フィールドを自在に配置できるページレイアウトソフト(Word の「ページレイアウト」メニューとは無関係)のような高度な編集は期待できません。また出版やデザイン業界で一般的な描画アプリケーションAdobe Illustrator で作成したファイルの直接の読み込みもできませんし(このためIllustrator 側に「Office 用に保存」のオプションコマンドが設けられています), コンマ数ミリ単位の位置合わせ, さらに色分解の機能も備わっていないため, 版下作成の用途には適していません。

Word の特徴とMathType

MathType のユーザーの大半は, Word と一緒にお使いです。 またWord のユーザー・インターフェースと一体化すること, すなわちWord のMathType メニューからコマンドを使用することは, MathType に期待される最も重要な機能とも言えます。 しかしながら, Word のMathType メニューのコマンドは, その全てがWord 内蔵の機能を使用するWord の特設コマンドで, そのうちMathType アプリケーションに直接関係するものは「インライン数式」のみです。 とはいえ, この「インライン」というのも, Word 固有のオブジェクト埋め込み機能に他なりません。 MathType のテクニカルサポートの殆どは, Word のMathType メニューコマンドに関するものです。 多くの方がMathType の設定を操作することで問題解消できるものと考えられていますが, Word 内蔵の機能であるため, Word の設定をチェックしなければなりません。 ここではMathType メニューコマンドおよびMathType に関係するWord の機能について説明を行います。

Word 文書の保存太り

Word の場合, 画像を配置にコピー&ペーストやオブジェクトの挿入コマンドが頻繁に用いられます。 これは文書内に画像データ, オブジェクト挿入の場合はリンク情報も保存するため, 文書の保存のたびにファイル容量が膨大になります。 さらに他のコンピュータ上のWord でも同じように文書が閲覧できるよう使用環境情報も保存するため, この「保存太り」は他のソフトに比べ群を抜いています。 まだ自動保存機能がなかった昔, Word 文書のバックアップだけで, さほどの容量もなかった当時のハードディスクがいっぱいになったものでした。 また当時のマシンのスペックではクラッシュが頻繁に発生しがちでした。 今ではメモリもハードディスクも大容量となり, Word のファイルだけでハードディスクが埋め尽くされることもなくなりましたが, Word がダイエットに成功したわけではありません。

マクロの読み込み

Word 上にMathType メニューを表示し, それを利用するには, まずMathType のマクロをWord にインストールする必要があります。また, インストールしても, それが使用可能な状態に設定していなければなりません。マクロというのは, Word 上で展開可能な拡張機能用のプログラム記述ですが, これはもともとMicrosoft 社がOffice の機能を充実させるために公開したもので, Office ユーザーを混乱させる愉快犯の多くがこれを悪用していることから, Office にはマクロに関する警戒網も敷かれています。現在, デジタル署名という身元証明のようなものが発行され, それがOffice の各アプリケーション内部への通行証のような役割を果たしていますが, 万一の「なりすまし」のケースも想定し, 異常があった際はすぐにマクロの実行を中断できるようになっています。このためWord 使用時のクラッシュの場合でも, マクロの実行が停止されます。

オブジェクトのコピー&ペースト

ワープロソフト, とりわけWord のユーザーの多くが, コピー&ペーストの機能をふんだんに使用します。確かにこれを使用すると作業効率が高まりますが, 埋め込まれているオブジェクトに関しては注意が必要です。というのも埋め込みオブジェクトをコピー&ペーストすると, 埋め込みではなくなり, リンク情報も失われてしまうからです。

新旧のバージョンの文書の読み込み

Word は2007(12.xx)から, ファイルフォーマットを大きく変更し, 保存時の拡張子も, それまでの.doc から.docx に変りました。古いバージョンのWord で作成した文書を読み込めるように, 2007 以降のWord でも.doc 形式の文書の読み込みをサポートしてはいますが, 常に完璧というわけにはゆきません。また, 逆に.docx 形式の文書を, 2003(11.xx)で読み込むための「2007 Office system 互換機能パック」というものもMicrosoft 社から提供されています。また, 保存形式の変更にとどまらず, 内蔵の数式作成機能も, MathType をペースにした従来のものから, 自社開発のツールへと変更されました。このため, 2007 以降のWord で内蔵の数式作成ツールを使用した.docx 文書の場合, 2003 上では編集することができません。


旧バージョンの文書形式での保存

2007(12.xx)以降のWord で作成した文書を, そのまま[上書き保存]すると.docx 形式となり, 古いバージョンのWord との互換性を失ってしまいます。このため, .docx 形式の文書を, 古いバージョンの読み込むための「Office system 互換機能パック」というものもMicrosoft 社から提供されていますが, 文書のやり取りの際, それを相手方が入手していなくてはなりません。また2007 以降のWord でも, 古いバージョンのWord の文書(.doc)形式の文書の読み込みをサポートしており, そのまま[上書き保存]すると元の文書(.doc)形式のまま保存されます。しかし, [別名で保存]の「Word 文書」で保存すると.docx 形式に更新されます。これにより古いバージョンのWordとの互換性に支障が出たり, レイアウトに異常が発生する場合があります。そのため, 古いバージョンのWord の文書を[別名で保存]する際, ファイルの種類を[Word 97-2003]に指定して保存する必要があります。下図はWord 2013(15.xx)の保存ダイアログのものです。

Word 2013 doc save

Microsoft PowerPoint

これまでリリースされたMicrosoft Office のバージョンによっては, このアプリケーションが含まれないエディションも多々ありましたが, 2013 では全てのエディションに含まれています。

インライン数式

上でも述べていますが, Word 文書上のインライン数式機能は, Word 固有の機能を利用したものです。これはWord に埋め込まれたオブジェクトが, あたかも文字入力したかのように行揃えできるというもので, 厳密な意味でのインラインではありません。なぜPowerPoint 上のMathType の数式挿入コマンドにWord と同様の「インライン」の文字がないのかというのは, 「インライン」をサポートする機能がPowerPoint には備わっていないからです。ただ, PowerPoint 2010(14.xx)を使用する場合, 内蔵の数式作成ツール「数式ビルダー」を起動して, 数式の後に続けてテキストを入力すると, あたかも数式部分がインライン入力されているかのように見えることがありますが, これは数式の中にテキストが入力されている状態で, もはやそのテキストは本来の編集が可能なテキストでありません。


Microsoft Office 内蔵数式作成ツール:数式ビルダー(旧称)

バージョン2007(12.xx)以降Word には「数式ビルダー」という名の数式作成機能が内蔵され, メインとサブの2種類の数式ツールが用意されることになりました。それが2007 から採用された「数式ビルダー」用数式ツールとWord 2003(11.xx)までの標準内蔵ツール「数式エディター」(Microsoft 数式3.0)です。前者がメインの数式作成ツールとして, 後者はサブツールとして, Word 2003 までの古い文書(.doc形式)との互換性を保つために用意されています。前者がOMML(Office Math Markup Language), 後者がMTEF(MathType Equation Format)という具合にフォーマットが異なり, 互換性こそありませんが, 後者はMathType をベースにした簡易ツールで, MathType をインストールすると, 上位互換でMathType が後者, すなわち「数式エディター」と交替するようになっていました。なお2018 年1 月にアップデータを用いて「数式エディター」(Microsoft 数式3.0)が取り除かれました。

数式ビルダー(数式ツール)

2007(12.xx)以降のOffice がサポートするOffice の数式フォーマットOMML(Office Math Markup Language)で数式を作成するツールです。2007(12.xx)以降のOffice に内蔵されていて, MathTypeをインストールしない場合, このツールが標準の数式作成ツールとして機能します。OMMLはしばしばOffice MathML とも表現されますが, 厳密にはMathML(Mathematical Markup Language)とは, タグの記述方法が異なるなど似て非なる特徴があります。それゆえ, 正規のMathML との完全な互換性はありません。

「数式エディター」(Microsoft 数式3.0)

バージョン2003(11.xx)までのOffice(Word およびPowerPoint)の標準内蔵の数式作成ツール「数式エディター(Equation Editor)」で, MathType の開発元がOEM 供与したツールのため, MathType との互換性があるのが特徴です。(ただしMathType で作成した数式は編集できません。)2003(11.xx)までMathType をインストールしない場合, このツールが標準の数式作成ツールとして機能していました。こうした古いバージョンのOffice で作成した数式を含む文書をサポートするために2018 年1 月まで内蔵されていました。

サブスクリプション版のMathType に関して:

MathType サブスクリプションライセンスのテクニカルサポートは供給元(WIRIS 社)が直接行います。

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